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清浄の一滴2013/05/1

 4月13日土曜、現場の責任者クラスの方々80名に集まってもらい「25年度経営計画発表会」を催しました。堅苦しい話ではなく、会社が経営上直面している困難な状況をみなさんに理解してもらい、また現場のみなさんの苦労を会社も十分に分かり合おうという会合です。発表会冒頭の社長挨拶要旨をここに記し、現場のみなさん全員に社長の思いをお伝えしたいと思います。
「変えなければならないもの と 変えてはならないもの」
 トイレ清掃から見えるもの・・水洗トイレのお尻洗浄機が普及し始めた20年前、その1回の水使用量は約20ℓでしたが、いまやその使用量は5分の1の4ℓまで節減効率化されています。ましてや我が国では、その洗浄水は飲み水と同じものです。生活水源環境の厳しい世界の国から見れば、日本はとんでもない贅沢な国ということになります。一方、私たちのトイレ清掃の技術はどのように進化したでしょうか?第三者的に見るならほとんど改善されているとは思われないのではないでしょうか。これだけ電気機器が進化した時代ですから確かに自動清掃便器なども表れています。ただ、それでもそのような便利で省力化された便器機器が一挙に普及しないのはなぜでしょうか?・・たぶん、人の力と“思い”でなされるトイレ清掃の方が、未だに人の暮らしを快適にさせているからではないでしょうか! 私たちが担っている仕事も変えていかなければならないものと変えてはならないものが織り交ざって仕上がっていくもののような気がします。
 世界のマスコミでも“世界最強のチーム”として賞賛された清掃スタッフ集団があります。JR東日本系列の新幹線を清掃管理するグループです。その活躍ぶりのエピソードはたくさんありますが、私(社長)が心に引っかかったお話をひとつ紹介します。その清掃チームは、クリスマスの日にサンタクロースの赤い着ぐるみに身を包んで清掃したそうです。会社からの発案や命令ではなく、現場スタッフの申し出だったそうです。実施前はあまり奇抜なことをしないほうが良いのではないか、むしろ利用者の顰蹙を買うのではないかと会社も心配したようですが、当日は新幹線を利用する親子連れなどにとても喜んでもらえたそうです。この話がなぜ私の心に引っかかったかというと、まだ多くの人は清掃という仕事はできるだけ目立たないようにやるもの、目立ってはいけないものと考えているようだからです。なにより清掃を担うスタッフ自身がそのような囚われの身に陥っています。どうしてJR東日本の新幹線清掃チームは、そのような縛りから解放され、自由に活き活きと働けるようになったのでしょうか?それには一つの重大な契機があったようです。一昨年の3.11東日本大震災の折りには、東北新幹線も地獄と化しました。数ヶ月ぶりに帰還してきた新幹線はやぶさの車両は、さながら車両全体が汚物タンクになっていたそうです。しかし、この車両はまた被災地へ向う人々を移送しなければならない使命を持っています。清掃チームは、不眠不休で汚物車両の美化を貫徹し、多くの被災者家族を現地へ送り届けたのでした。清掃した車両には「がんばるぞ!日本」という手作りの応援メッセージ・ポスターが清掃スタッフによって掲げられました。その経験と使命感が、清掃スタッフに真の誇りを植え付けたのではないでしょうか?その自信は、やがて赤いサンタクロースの清掃員を招くことになります。おそうじは好きなのに清掃の仕事となると躊躇する人がまだたくさんいます。ある意味、清掃の仕事に就くとき人はその人生のプライドを捨てるのかもしれません。しかし私がライフワークとして目指しているものは、プライドを捨てて入ってきた清掃の仕事であっても、その満期勇退の時には人生のプライドを取り戻してハッピーリタイアメントをして欲しいということです。
 我が社の地下鉄車両清掃チームも負けてはいませんよ。昭和の福岡市大渇水の折りには、洗浄水の一滴が無くなっても、我が姪浜地下鉄車両基地チームは世界一キレイな地下鉄車両を発車させ続けました。
 東北新幹線東京駅ホームでは、車両到着時に清掃スタッフが一列に整列し一礼をもって迎えます。たいそうなパフォーマンスだなと揶揄する人は多くいるようですが、時速70kmで入線してくる先頭車両にホームで待つお客さまが巻き込まれないようにと身を挺して整列一礼ガードをする者たちの使命感を知る人は少ないようです。

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